2005年家庭科夏休み体験学習 

 家庭科では、例年のように高校1年生に対して夏の体験学習に取り組んでもらいました。科としては、これを通じて「生活者の視点に立って、身近なところから私たちを取りまく様々な問題について考え、将来自分がどう生きるかを考える1つのきっかけになることを願っています。」以下に今年の夏に行われた高校1年生による体験学習を紹介します。

新しい時代の女性のよきパートナーとなるために

 東京大学大学院教育学研究科教授 汐見 稔幸先生の講演を聴く。夏休みに行う予定が、台風のため延期になり、9月13日に行いました。
 「男女共同参画社会」の重要性が叫ばれながら、なぜ日本でそれが育たないのか。日本の社会システムは企業社会であることが、大きな障害になっている。男女共同参画の進んでいるフランス、オランダ、デンマーク、イギリス等ヨーロッパ諸国はもともと市民社会であったからである。などのお話があり、聞きながら生徒に紙に疑問、質問を書いてもらい、それらに答える形でお話が進んでいった。
 最後に、麻布生に対して、「真のエリートというのは、卓越した才能を持ち、人を引っ張ってゆく力があることに加えて弱者のために才能を使える人でなければならない」と諭された。自分の弱さを隠すことはない、受容せよ。観念としてわかるのではなく、実際に障害のある人に接してみて底辺の人たちのことを感じてほしい。
 生徒達は真剣にその言葉を聞いていた。

 

エコクッキング実践教室

8月29日(月)に、東京ガス新宿ショールームにて、エコクッキング実践教室に31名の生徒が参加しました。ただ料理をするのではなく、料理を通じて環境問題についても学ぶことができ、有意義な時間を過ごしました。なお、夏休みには別に「家族のための食事作り」という課題も出されています。

各班に分かれて席に着く。 モニターを見ながら説明を聞く。
さあ、やってみよう! 真剣なまなざし。授業中もこうしてほしい。
春巻き・中国風茶碗蒸し・エコノミ焼きです。 ようやく食べられます。
     味はどうかな? どっちの方がよくできているかな?

保育園児と交流

9月2日、港区立麻布福祉会館で、区内2つの保育園から集まった保育園児と、会館利用の高齢者との地域交流フェスティバルに体験学習の1つとして麻布の高校1年生が参加しました。麻布生は、管弦楽部の生徒の楽器の演奏や、生徒が用意したコントを披露して、保育園の子供たちや、お年寄りの方々と一緒に楽しみました。

保育園児による踊りの披露、じつは後ろでお年寄りの方々が見学しているのです。 みんなにこにこして楽しそう
いよいよ生徒による楽器の演奏、少し緊張しているかな これはオーボエの演奏
フルートとバイオリンの合奏 これは馬とウサギに扮してコント、みんなに受けていた?
少年時代やわらべ歌など多彩な歌でみんなを楽しませた 保育園の子供たちが手拍子で応援

消費者被害と基礎的法知識(東京弁護士会)

いつも東京弁護士会から、弁護士の方々にボランティアで麻布の体験学習のために講演に来ていただいています。今回の講師は、お二人とも異色の経歴を持つ方々で、横山先生は工学部出身で、民間会社に入ってそれから弁護士に転じたという。女性の細田先生は、中卒で働きながら大学検定試験を受けて、慶応大学の通信部で勉強して、司法試験に挑戦、弁護士になられた方です。
 そのような経歴の方々だけに、弱者の立場に立った、ヒューマニティーのある弁護士さんたちで、生徒も良い感化を受けていたのではないかと思われます。
  細田先生は日本に来ているクルド難民のジランちゃん事件の弁護にも関わっているとのこと。
本題の話に加えて、お二人の経歴や関わっておられる事件などのお話が、生徒たちにとっては非常に興味深かったのではないかと思います。

 本題は、マルチ商法や出会い系サイトの被害事件の例をもとに、だまされたときの解決方法などを、生徒に考えさせながら、すすめました。そのような場合、被害者であると同時に加害者にもなりうることも、具体的な例から教えていただきました。

細田先生による事例紹介 横山先生が図を描きながら説明
マルチ商法や通販などの対処法について班ごとに考える。 うーん、なかなか難しいなあ

地球環境保全と風力発電

 足利工業大学工学部教授の牛山先生による講演。
「これまでは化石燃料である石油などを、ハンティングしてきた時代である。石油などの埋蔵量は限界にあり、同時に地球の温暖化などの環境破壊などのもとにもなっている。これからは、資源をカルティベイト(栽培)する時代に入っている。環境保全の鍵を握る注目されている持続可能なエネルギーこそ、風力発電である」というお話を聞きました。
 牛山先生は「風車博士」といわれている、風力発電の第一人者です。
 環境先進国であるデンマークにおける環境保全への取り組みとエネルギー政策、国作りについても紹介されました。

21世紀のゲノム医療

 北里大学理学部生体分子動力学教室の大石先生による21世紀の遺伝子治療と、タンパク質と病気の関係についての講演を聴きました。

車椅子で町に出てみよう!

 例年のごとく、車いすと共に歩く会の泥谷(ひじや)先生、港区ボランティアセンターの鈴木先生を講師に、車いすで町に出て学校および周辺を周り、ハンディーキャップのある人の目線で町のバリアフリーの実態を調べる体験学習をおこないました。

最初に先生による説明を聞く さあ、町に出よう!
車いすで段差を越える練習。介護者にとって何が必要か? 大きな段差は4人がかりで持ち上げる。
有栖川公園の横の坂をみんなで上る 学校は車いすにとって、バリアだらけ!
車いすに乗った障害者のトイレの介助の訓練 体験してみて、見たこと考えたことをまとめる。