『論集』は、1981年、多種多様な授業の成果や、授業内容から派生して独自にその関心を拡げ、考察を進めた自由研究などを発表する「場所」として、創刊された。
その掲載内容は多岐に亘るが、ほぼ年1回の発行を積み重ね、現在に至っている。
なお、できるだけ多くの目に触れることを通し、相互を刺激し、批評し合いつつ、それぞれが自らを高めてゆく契機となることを願い、『論集』は、中学1年生から高校3年生までの全校生徒に配布している。
『論集』 ’04(第23号) (左のボタンをクリックしてご覧ください。ファイル・サイズが大きいのでご注意ください)New!
特別授業「短編小説を書く」解説(pdff形式、約539KB)
特別授業「三国志・諸葛孔明の『生き様』を考える」解説(pdff形式、約539KB)
第10回スーパーコンピュータコンテスト優勝記(pdff形式、約983KB)
高1修論解説と修論(pdff形式、約4.7MB) ←ファイル・サイズが非常に大きいので注意!
『論集』 ’01(第20号) (左のボタンをクリックしてご覧ください)
高1地歴・公民修論(解説・本文) pdf形式(約500KB)
1999年度に発行された『論集’99』(18号)の一部をそのまま紹介する。
『論集』 ’99 (左のボタンをクリックしてご覧ください)
高1地歴・公民修論(解説・本文) pdf形式(約194KB)
以下に、1998年度に発行された『論集’98』(17号)の内容を紹介する。
現代国語(中3卒論)1997年度
本学で20年以上続けられてきた中学共同卒業論文は、97年度(正確にいえば96年度中2)から、卒論提出までの過程に変更が加えられた。その骨子は以下の三つである。
@ 卒論の対象となる作品を大幅に増やしたこと(96年度の8作から97年度は21作へ、その後は98年度が13作、99年度は14作が対象となっている)
A 中二の12月に配布された対象作品一覧の中から、3作以上を春休みまでに読了しておくこと
B 中三の第1学期当初に、そのあらすじを提出すること
その目的は、より広げられた選択肢の中から自由に対象作品を見いだし、それらを中二までの段階で読了しておくことを通じ、作品と主体的に向き合う時間をより多く確保すること、その読書体験を前提に、中三段階での(クラスごとの)班の形成をより合理的に行うことで、執筆内容の討議・検討を実質的に深めることにあった。
1998年度掲載論文:変身するカフカ/三島由紀夫『金閣寺』論/島崎藤村『破戒』論/F・カフカ『変身』に見る人間の二面性/『老人と海』論
漢文(中三)1998年度 唐詩鑑賞
中三の漢文の授業は二学期から唐詩を読むことにしている。授業で一通り解釈などをしたあと、課題として課したレポートのうち、いかにも中学生らしい鑑賞と思われるもの、特に秀逸なものを選んで掲載した。
柳宗元、王維、李白、杜甫、王翰、崔の詩から3名の生徒の鑑賞文
古典(中二)1998年度『宇治拾遺物語』より「唐(もろこし)に卒塔婆血つく事」を選んで、口語訳を付してこれを素材に小説を書くことを夏休みの課題にした。生徒が書いてきた作品の内より4編選んで掲載。
98年度掲載の創作:少年と老人/邪馬台国/ハッピーエンド/天魚と悪魚
国語(中二) 間違いだらけの(ちょっといい)短歌鑑賞講座 1997年度
授業で、近代短歌30首を提示し、おおよその成立時期を説明しただけで、一人2首ずつ選んでもらい、字数制限なしで自由に「鑑賞」してもらった。したがって間違いだらけのものであるが、それはそれで、とりあえずちょっといいなと思うものを選んでみた。
石川啄木/北原白秋/斉藤茂吉/宮 柊二/近藤芳美/寺山修二/俵万智の短歌より
社会科修論(高一)1997年度
社会科の「修論」(社会科基礎課程修了論文)は高一全員への課題である。麻布での4年間(中学3年間と高一の1年間)の社会科で、それぞれの生徒が興味を持ったテーマを選択し、それについての見解と分析を論文にしたのが「修論」である。
6月に生徒へ「研究テーマ・計画書の提出・評価など」に関して説明し、9月初めに「計画書(1)」を提出させ、12月初めに「計画書(2)」を提出させ、翌年1月末に「修論」を提出さた。
その作業の過程で、社会科の14人の教員が、それぞれの方法で助言と意見を伝達し、研究テーマの内容を充実させるよう協力してきた。
特に、参考図書(2冊以上)の紹介を通して、研究テーマを深めて具体化するように助言してきた。
98年度掲載の修論:脳死・臓器移植法案に問う/ジプシーの研究/尊厳死と安楽死
地理(高二)1998年度
今回課した夏休みの課題は‥‥、地理的なテーマについて関心を持った意欲的なレポートがいくつか提出された。‥‥今回紹介する3編は、図らずも交通機関を扱ったものである。
まず、神岡鉄道の報告は、ユーモラスな紀行文に仕立てながら、地域性や地域の変貌について的確に触れている点を評価した。また、東横線の報告は緻密にしてかなり熱のこもった報告であった点を評価した。加えて、本校では通学に利用している生徒が多く、そうした者たちですら知り得なかった情報を提供できるという点も推薦の根拠となった。最後の長距離フェリーの報告は、東京の高校生にとってユニークなテーマを取り上げておりその点を評価した。
98年度掲載レポート:「神岡鉄道」乗車記/東急東横線の現状と将来/長距離カーフェリーの現状
1998年度中一美術 「静物」油絵 6作品の写真/同中一美術「コラージュ」 紙、ペン、インク、水彩 5作品
1997年度中二美術 「花」 顔彩・岩絵の具 4作品/1998年度 中二美術 「日本庭園」4作品/同中二美術 想像図 4作品
1998年度中二美術 デザイン 6作品 /1997年度中三美術 「バルサによる造形」16作品
1998年度高一美術 「大理石モザイク」 6作品
1997年度高一工芸 ブーメラン 5作品 /1998年度高二工芸 プラスチックウェイト 4作品/同高三工芸 ナイフ 2作品書 道
1998年度中一書道 12作品/高一書道 12作品 /同高二作品 6作品/高二書道 篆刻 8作品
数学a(中三) 中三数学aの3学期は「三角比」を学習している。2月1日、2日、3日の休みを用いてレポートの提出を求めた。
@ 紀元前、アリスタルコスが求めた方法で地球と太陽の距離を求める。
A 測量により、各自指定した建物の高さを求める。
Aについては、
(1)直接、建物の下まで行くことができない(距離が測れない)ことを前提に、三角比の定理、三平方の定理、中線定理などを応用させることを考えながら、対象物の計測の計画をねる。
(2)計ることができる数点を選び、その点間の距離を歩測により測る。
(3)仰角は、分度器を利用して仰角計を作り求める。
(4)縮小した概念図を書く。
(5)三角値表、各定理などを数学で学習したことを利用して、求める建物の高さの近似値を求める。中庭から校章の中心までの高さ‥‥3/東京タワーの高さ‥‥2/銭湯の煙突の高さ/オペラシティ(新宿)
(※ アリスタルコスの方法のレポートはなかった)数学(中一) 正多面体・準正多面体の作成
中学1年幾何の1学期後半の授業では空間図形についてあつかう。空間図形の学習にあたっては、立体を手に持っていろいろな方向から眺めたり、辺と辺、面と面とがどのようにつながっているのかというような質感をとらえることが大切である。そのため3次元の立体を2次元の教科書やプリントの図を用いて説明するだけでは直感的な理解がなかなか得られないと考えた。
生徒には工作用紙と多面体の展開図を与えて正多面体や準正多面体を夏休み中に作成することを課題とした。
2学期初めに提出された生徒たちの作品はどれも力作ぞろいで、工作用紙では飽きたらずケント紙を用いたり、きれいに彩色されたものも数多くあった。それらの作品のうち特に優れたものを以下に掲載する。生徒の作品の写真を掲載
昨年度から実施してきたテーマをさらに充実させ、知識と実践をセットした年間通しのテーマ研究とした。(1学期:関連書物、夏休み:体験レポート、2学期:まとめ、発展的レポート)。昨年度の反省からボランティア活動や体験学習にかける時間を2倍にし、選択肢を拡大したところ、普段できない体験を主体的に取り組む姿勢が見られ、そこに新たな発見や喜びを見いだした生徒も多くあった。
「家族のための食事作り」:品数の多さや創造性などに、日頃の料理への関心の高さや、この課題への意欲が伺われ、選ぶのに苦労したほどである。【掲載レポート】
‥‥作った料理の写真とレポート(工夫した点、反省、感想、家族の感想など) 6名の作品
テーマ 家族・福祉・子ども(体験学習レポート)
「愛育病院でのボランティア」:今年初めて取り組んだ課題ですが、厳しい条件を承知で参加した5人の、懸命な働きぶりに、愛育病院の3人の先生方から父母の評判もとてもよかったいうレポートがありました。(彼らは、病院に訪れるお母様が連れてきた0歳から6歳児の子守をした)
「シャロームの家(障害者地域作業所)のボランティア活動を通して」‥‥3名の体験活動レポート
「麻布慶福苑(特別養護老人ホーム) 高齢化社会に僕らのできること」
「トトロの森のウォーキング」:一般廃棄物の最終処分場のために失われていく狭山の自然を守る活動に参加しての体験レポートです。
「スーパーとコンビニの環境への取り組み調べ」「フィリピンネグロスバナナ民衆交易より食を見る」
「地球環境問題についての講演会‥‥山本良一氏(東大教授)を聞いての感想文/同氏の著書「地球を救うエコマテリアル革命」を読んでの感想文
English Conversation Year of the Rambunctious Rats (M2)
Nobody needed to tell this year's peppy pack, "Boys, be ambitious." They got off to a leisurely start,but soon their steep learning curve sent them scurrying toward success. The mighty mice were diligent in doing their classwork and homework, but also found time for a joke - sometimes at this poor cat's expense.中二 英語会話の創作作文宿題 6作品(ネイティブの先生の授業)
英Uの授業より(高一)
1998年度の英2の授業では、年間約10回の英作文をした。2学期終了間際の「最近思うこと」というタイトルの作文と、フィクション、ノンフィクションを問わずタイトル自由で好きなことを書いてもらった作文の中から優秀なものを抜粋した。
生徒による19作品の英作文を掲載
投稿以下の作品は、すべて高校3年生(99年卒業生)による作品である。
- 遠藤周作の考える『信仰』とは何か――『深い河』をめぐる考察
- 今の世の中とこれからの生き方について
- 麻布論
音楽
生徒による作曲作品(別冊) それぞれ音楽科の教員の講評が記されている。
- 音楽レポート・創作(高2)
この曲は基本の組立、和声の流れを踏まえながら整った小品に仕上げられている- SONATA(高2)
抒情味あふれる音楽性が、心地よい和声の移り変わる淀みない流れのうちに技巧を展開しつつクライマックスに導 き到るところが圧巻の曲に仕上がっています。- ピアノ三重奏 第1番 第一楽章
この生徒がピアノの名手であることはよく知られています。その腕前のほどは9月に催された管弦楽部の定期演奏会でラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を弾ききるほどの鮮やかさです。このピアノ三重奏曲は、そうした技能がよく発揮され、かつエネルギッシュに仕上げられています。寄 稿
- ウィンチェスター留学体験記(97年度卒生)
(この生徒は高3の春(1学期)、イギリスのパブリックスクール、ウィンチェスター校に短期留学した。)- 国際数学オリンピックに行って来て(高3)
(この生徒は数学オリンピックで、銅賞を獲得した)- 星に願いを ―― 獅子座流星群観測報告(天文部 高1)
- 私とCG (高校3年)
コンピューター・グラフィックによる7作品の写真。